意思決定のゴミ箱モデル

ガービッジカンモデルの備忘録答えはすでにある。

急な最終日②トラックドライバー終わる

翌日19日は気持ちを切り替えて

京都に短距離

後残りは20.22.24.25日の4日間出勤のみ。

 

内容としては楽勝だった(はず)。

 

5時半に車庫を出た。

新名神は雪景色

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途中、土山辺りで車が5台ぐらいスリップ

事故をしていて人々が慌ただしく動いていた。

1台は追い越し車線にクシャクシャで止まって

おり、危ないなと思ったが

気にもとめず走った。

 

7時半過ぎに到着。

予定は8時過ぎからなので少し待機したら

係の人が出てきて計量に誘導した。

いつも通りだ。

 

卸し場にトラックを着けた。

ローリーのトラックのタンクの中は大抵

二層か三層に分かれているものだ。

私の乗った車は二層式なのでタンクの前と

後ろにそれぞれ5トンの部屋があった。

 

今回は3トン納入なので前の層だけに荷物が

入っているはずで前日、積んだ人の書類にも

前に3トンと書いてある。

立ち会い者が来るまでにホースやら色々と

準備した。

 

ローリーの上に登り、一層の蓋を開けたら

しっかり液体が入っていた。

間違いないと指差呼称した。

 

ここで私は二層を見るか迷った。書類には

二層は使ってないと書いてあったので

普段なら見る必要はないし、殆どの先輩は

みないだろう。仮に見たとしても荷卸しが

終わった後に各層に残液がないか確認する

ぐらいで見ない先輩が多数だ。

乗り回しのトラックなのでお互いの信頼関係

で成り立っていた。

 

しかし、私は違った。

無いなら無いことを確認しようと蓋を開

けたのだ。

そうしたら無いはずが入っていた目測で

およそ500〜700の液体が…。

 

もうパニックである。すぐに積んだ先輩に

電話した。

各層は蛇口で繋がっているので一層が二層に

入流しなたら良いがそれが確認できないならば

荷卸しは中止する必要がある。

成分の違う液体を入れては大問題で転職

どころではなくなるのだ。

さらにこちらでは先方での計量があり

積んだ所との重さの整合性を見るので

帰りに計量した際に重いか軽いかすぐに

バレてしまい、黙りで前だけ卸して

帰れないのだ。

(どの道、残液がバレてそれ所ではなくなる

のだが…。)

 

時刻は9時。

先輩は電話に出ない。この時間はだいたい

みんな卸し時間で忙しいのだ。

先輩の面子を保つために事務所に電話は

最終にして経験の有る他の先輩に片っ端から

電話した。

貨物事故は費用弁償にもつながり兼ねない

重大事象だ。

ある先輩に電話がつながり助言いただいたが

やはり積んだ先輩に確認するかもしくは

事務所に電話した方が良いとのこと。

 

そうこうする内に立ち会い者が来た。

事情を説明した。

この時点で厳しい所だと荷卸し中止になり

貨物事故となる。

なんとか説明し、時間を15分程もらった。

その間に最終手段となる事務所に電話して

事情を説明したら事務所からその先輩に連絡

を取っていただき、もう一度、私から

その先輩に電話したら繋がった。

 

蛇口閉め忘れの入流と確認が出来たので

再び立ち会い者に説明し、荷卸し完了した。

帰りの計量でも数字が合ったのでよかった。

積んだ先輩がもちろん悪いが卸しに行く私

にも責任を取らされる所だった。

 

厳しい所だと荷主に連絡されて事態は

これで収まらなくなる所だった。

 

帰りにそのまま積みの仕事があるので積み場

まで走った。

その道中、パニックで電話かけた先輩達から

折り返しの電話があり、内容を話した。

 

皆、ナイスファインプレーだと讃えてくれた。

 

ある先輩は俺は確認しないから100%事故に

なるからあなたは良くやったとも言われた。

私はもう恐ろしいので明日から欠勤しようか

と半分冗談で相談したらそうした方

がいいと言われた。

まだこの時、私の欠勤意思は五分五分だった。

 

積み場に着いたら事情を知らない

他の先輩も積みに来ていた。

その先輩は貨物事故の事もそうだが

朝の通行止め大丈夫だったかと

心配した。

 

通行止め?

 

色々あって忘れていたが朝、高速道路での

スリップ事故を思い出した。

私が通過したのがおよそ6時半。

通行止めは6時半から10時までだったと。

 

助かったと思った。

 

もっと早く行ってたら事故に巻き込まれて

いたかもしれないし、遅ければ通行止めで

延着し、更に貨物事故になっていたかも。

 

と思うと、もう恐ろしくなった。

 

私の緊張の糸は限界だった。

 

まだ最終出勤まで4日間あるが18.19と災難

続きで次はもっと防ぎようの無いことが

起こるのではないかと思った。

いずれも私の非がある事ではないので

どうしようもない。

うちの会社では事故の自己負担は50万円なので

一回の事故で負債を背負うことになる。

そうすれば転職は白紙。

負債返済まで動けないし歳も取るともう

動けない。

 

帰庫し、配車係に今日までにし、明日から

最終日まで欠勤にして下さいと頼んだ。

配車係はこの2日の事を鑑み了承してくれた。

 

事務所を出たら先輩達が談笑しており

私も近づいて今日起きたことと、明日から

もう来ない旨を話した。

先輩達はそれで、良いと言って見送って

くれた。

 

私のトラックドライバー稼業はこうして

最終日を待たずに急に終わった。

 

最終まで全うしない事に背徳があるが

この4日間で重大な事故を起こせば

すべて無駄になってしまう。

 

これで本当に良かったのだろうか。

分からない。

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(残液の様子)

 

トラックドライバーについて落ち着いたら

また日記にしたいと思います。